え゛〜〜、上高地に蛍なんて居たのですか?
みなさん知ってました?…ということで上高地の蛍の話題です。たぶん私はあの辺を徘徊?していた時に蛍の棲息場所わきを通った事はあるのでしょうけれど、実際登山目的で上高地に行っていた際には全く知りませんでしたし、そもそも上高地に蛍なんかいたんですか?ってくらい初耳でした。【ニュースソース:2014/5/18TBSテレビ噂の東京マガジン(13:00-13:54)関東ローカルの番組なのか全国ネットなのかは不明】
上高地の蛍は本来居るはずのない生物なのだそうです。そうですねぇ、上高地に行った事がある人ならば頷けると思いますが、標高や山の様子から考えても、私のようなお馬鹿な素人でも、あそこには絶対居るはずがないと言い切れる程の地理条件です。
上高地の蛍はもう十数年前から確認されているそうですが、何故今頃になって話題になっているのでしょうか?、それは人為的持ち込みという理由で環境省が上高地の蛍を駆除する方向で検討しているとのことで、ひと騒動になっているようです。
◆◆◆【上高地の蛍の現状】◆◆◆
・ゲンジボタルが2000年頃から突然姿を表している。
・元々上高地には蛍は居なかった。
・地理的条件から考えても、近くに住んでいる蛍の棲息場所からの距離や
DNA解析などからも、自然発生とは考えにくい。
・蛍の餌であるカワニナも確認されている。
・ゲンジボタルやカワニナはどちらも標高1500mの上高地には棲息していなかった。
・DNA解析では長野県内の蛍でない事が分かっていて、人為的持ち込みに間違いない。
・棲息場所は上高地温泉ホテル周辺のホテル街からの温泉水の流れ出しの池に限られている。
(周辺から流れ込む温泉で水温が20℃近くに保たれている)
・上高地を流れる川の水温は年間を通じて極めて低く蛍は絶対に棲息できないので、
水温から考察して現在の池から拡散する可能性は低いと考えられている。
・今のところ蛍が他に被害を与えている様子はない。
ところで、志賀高原にも温泉が流れ込む沢に蛍が棲息しているそうです。同様に人為的持ち込みと考えられています。しかし、驚く事に同じ蛍なのに志賀高原の蛍は天然記念物になっているのだそうです。
◆◆◆【志賀高原の蛍の現状】◆◆◆
・標高1600mで日本一高い所にいるという事で2008年に国の天然記念物に指定。
・志賀高原で蛍が生きていけるのは上高地と同じく25度の温泉が流れ込んでいるため。
・標高や環境から自然発生とは考えにくく志賀高原の蛍も人為的持ち込みの外来種と考えられる。
・人為的持ち込みは明治時代より前の時代。
上高地と志賀高原の蛍は標高差100mという条件しか違わないのになぜ扱いの差があるのでしょうか?
同じ人為的持ち込みの外来種でありますが、同じ事でも歴史性がどれくらいあるかということが、上高地と志賀高原の蛍の大きな差になるのだとの意見もあるようです。上高地は2000年頃、志賀高原は少なくとも明治時代以前と考えられています。当然、志賀高原の場合は国立公園法(現:自然公園法)などが出来るより前に既に蛍が入っていました。恐らく、そのあたりの差が上高地と志賀高原の蛍の扱いの大きな差とも考えられるようです。当然法律制定後に持ち込んだのであれば駆除しなくてはならなくなるのは、お役所としては当然な考えなのでしょう。
現地の環境省保護官は…「本来の自然を楽しんで頂きたいという場所ですので、今までの経緯を含めて駆除の方向で検討していく」との意見のようでしたが、番組で受けた環境省の回答は以下のようでした。
◆環境省の回答(抜粋)◆
---------------------------------------------
国内に自然分布域がある生物種であっても
自然分布域の外に導入されれば外来種となります。
時期の基準はない。
全ての外来種がいかなる地域でも
駆除されなくてはならないということではなく
被害の状況や地域の自然環境等の特性に応じて
対策の必要性や是非を考えていくべきものと考えます。
---------------------------------------------
結局、ニュースソースの番組では皆それぞれの定義が曖昧で今後どうなるのか?的な終わり方でした。
◆◆◆【外来種とは?】◆◆◆
そもそも上高地の蛍はどこから来たのでしょう? まぁ、元々は居なかったのですから当然外来種に当たるのでしょうね。
外来種とは本来そこに棲息しない生物が何らかの理由によって、よそから移動させられ在来種や自然環境に被害を与える生物を言うのだと思います。それらは国外生物が冠たるところで有名ですが、国内であっても移動させられた生物は外来種扱いになるそうです。
◆【有名な国内外来種】◆
北海道のカブトムシ:元々の棲息地は本州以南、定期的に増えることがあり農作物に被害。
屋久島の狸:元々の棲息地は本州、絶滅危惧種である海ガメの子への捕食被害。
小笠原諸島のアカギ:元々の棲息地は琉球列島、在来種を枯死させている。
伊豆諸島のアズマヒキガエル:元々の棲息地は東日本、在来種を捕食している。
上高地は国立公園の中でも特に自然保護を義務付けられた特別地域になっていて、現行法であれば一切の動植物の持ち出しや持ち込みが厳禁な地域になります。
また、上高地では地元の自然保護への意識が高く公共下水道を入れたり、長年の清掃活動などに努めて美化運動を推進してきたのだそうです。有名なところでは1970年代頃には車による汚染問題が深刻になり、対策からマイカー規制を取り入れて本来の自然を取り戻しているようです。
そのような地域ですから単純に考えれば法律的には外来種なんてもってのほかなのでしょう。
◆◆◆【色々な意見】◆◆◆
番組では様々な人に意見を聞いていました。
◆【駆除に賛成と思われる根拠】◆
・誰が見ても蛍が飛び交っている環境は良く見えるが、
それは”不”自然であり、”非”自然である。
・穂高連峰など高い山に守られた上高地は固有の生態系が守られてきた。
その手つかずの自然こそが魅力になっている。
・上高地は本来の自然を維持しようとしている特別な場所なのに、
本来居てはいけない国内外来種の蛍が棲息している。
◆【駆除に反対と思われる根拠】◆
・環境がいいから蛍が棲息している。
・只でさえ蛍は絶滅の危機に類している。
・かわいそう。
・蛍によって生態系は崩されていない。
・他に害をもたらせなければいいのではないか。
・あんな綺麗なものを殺しちゃうなんてもったいない。
◆◆◆【最後に思うこと】◆◆◆
様々な意見があって当然ですが、今後どうなるのでしょう?
ニュースソースの番組で紹介していた観光客の意見は、かわいそう的な意見を多く伝えていましたが、当然駆除されるべきでしょ!みたいな意見もありました。まぁ、わたくし的意見では、綺麗・かわいそう・生態系は崩されていない云々等の反対意見は、よそ者観光客の表面しか見ていないただの感傷論にしか聞こえませんでした。
外来種などは前々から散々議論されてきた面はあります。昔聞いた噂で某釣具屋チェーン店店員の中禅寺湖へのバス放流の話を聞いた際には一時期やるせなさを抑えきれない以上の憤りを覚えた事もありましたが、同様に上高地の蛍も夏場の利己的な話題作りに「あの辺?の誰か」がやっちまった結果なのかも知れません。当然根拠はありませんが目的が無ければ何事も成されないように思います。たぶんカワニナとセットの移入でしょうから確信犯ですよね。
この問題はまだ検討されていくのかも知れませんが、私は結局法律通りになるような気がしてしまいます。まぁ、個人的意見では、せめて蛍とカワニナのセットでどこか望まれる地域へ「お引越し」して貰われていければいいのではないのかなと思いました。
上高地の蛍は本来居るはずのない生物なのだそうです。そうですねぇ、上高地に行った事がある人ならば頷けると思いますが、標高や山の様子から考えても、私のようなお馬鹿な素人でも、あそこには絶対居るはずがないと言い切れる程の地理条件です。
上高地の蛍はもう十数年前から確認されているそうですが、何故今頃になって話題になっているのでしょうか?、それは人為的持ち込みという理由で環境省が上高地の蛍を駆除する方向で検討しているとのことで、ひと騒動になっているようです。
◆◆◆【上高地の蛍の現状】◆◆◆
・ゲンジボタルが2000年頃から突然姿を表している。
・元々上高地には蛍は居なかった。
・地理的条件から考えても、近くに住んでいる蛍の棲息場所からの距離や
DNA解析などからも、自然発生とは考えにくい。
・蛍の餌であるカワニナも確認されている。
・ゲンジボタルやカワニナはどちらも標高1500mの上高地には棲息していなかった。
・DNA解析では長野県内の蛍でない事が分かっていて、人為的持ち込みに間違いない。
・棲息場所は上高地温泉ホテル周辺のホテル街からの温泉水の流れ出しの池に限られている。
(周辺から流れ込む温泉で水温が20℃近くに保たれている)
・上高地を流れる川の水温は年間を通じて極めて低く蛍は絶対に棲息できないので、
水温から考察して現在の池から拡散する可能性は低いと考えられている。
・今のところ蛍が他に被害を与えている様子はない。
ところで、志賀高原にも温泉が流れ込む沢に蛍が棲息しているそうです。同様に人為的持ち込みと考えられています。しかし、驚く事に同じ蛍なのに志賀高原の蛍は天然記念物になっているのだそうです。
◆◆◆【志賀高原の蛍の現状】◆◆◆
・標高1600mで日本一高い所にいるという事で2008年に国の天然記念物に指定。
・志賀高原で蛍が生きていけるのは上高地と同じく25度の温泉が流れ込んでいるため。
・標高や環境から自然発生とは考えにくく志賀高原の蛍も人為的持ち込みの外来種と考えられる。
・人為的持ち込みは明治時代より前の時代。
上高地と志賀高原の蛍は標高差100mという条件しか違わないのになぜ扱いの差があるのでしょうか?
同じ人為的持ち込みの外来種でありますが、同じ事でも歴史性がどれくらいあるかということが、上高地と志賀高原の蛍の大きな差になるのだとの意見もあるようです。上高地は2000年頃、志賀高原は少なくとも明治時代以前と考えられています。当然、志賀高原の場合は国立公園法(現:自然公園法)などが出来るより前に既に蛍が入っていました。恐らく、そのあたりの差が上高地と志賀高原の蛍の扱いの大きな差とも考えられるようです。当然法律制定後に持ち込んだのであれば駆除しなくてはならなくなるのは、お役所としては当然な考えなのでしょう。
現地の環境省保護官は…「本来の自然を楽しんで頂きたいという場所ですので、今までの経緯を含めて駆除の方向で検討していく」との意見のようでしたが、番組で受けた環境省の回答は以下のようでした。
◆環境省の回答(抜粋)◆
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国内に自然分布域がある生物種であっても
自然分布域の外に導入されれば外来種となります。
時期の基準はない。
全ての外来種がいかなる地域でも
駆除されなくてはならないということではなく
被害の状況や地域の自然環境等の特性に応じて
対策の必要性や是非を考えていくべきものと考えます。
---------------------------------------------
結局、ニュースソースの番組では皆それぞれの定義が曖昧で今後どうなるのか?的な終わり方でした。
◆◆◆【外来種とは?】◆◆◆
そもそも上高地の蛍はどこから来たのでしょう? まぁ、元々は居なかったのですから当然外来種に当たるのでしょうね。
外来種とは本来そこに棲息しない生物が何らかの理由によって、よそから移動させられ在来種や自然環境に被害を与える生物を言うのだと思います。それらは国外生物が冠たるところで有名ですが、国内であっても移動させられた生物は外来種扱いになるそうです。
◆【有名な国内外来種】◆
北海道のカブトムシ:元々の棲息地は本州以南、定期的に増えることがあり農作物に被害。
屋久島の狸:元々の棲息地は本州、絶滅危惧種である海ガメの子への捕食被害。
小笠原諸島のアカギ:元々の棲息地は琉球列島、在来種を枯死させている。
伊豆諸島のアズマヒキガエル:元々の棲息地は東日本、在来種を捕食している。
上高地は国立公園の中でも特に自然保護を義務付けられた特別地域になっていて、現行法であれば一切の動植物の持ち出しや持ち込みが厳禁な地域になります。
また、上高地では地元の自然保護への意識が高く公共下水道を入れたり、長年の清掃活動などに努めて美化運動を推進してきたのだそうです。有名なところでは1970年代頃には車による汚染問題が深刻になり、対策からマイカー規制を取り入れて本来の自然を取り戻しているようです。
そのような地域ですから単純に考えれば法律的には外来種なんてもってのほかなのでしょう。
◆◆◆【色々な意見】◆◆◆
番組では様々な人に意見を聞いていました。
◆【駆除に賛成と思われる根拠】◆
・誰が見ても蛍が飛び交っている環境は良く見えるが、
それは”不”自然であり、”非”自然である。
・穂高連峰など高い山に守られた上高地は固有の生態系が守られてきた。
その手つかずの自然こそが魅力になっている。
・上高地は本来の自然を維持しようとしている特別な場所なのに、
本来居てはいけない国内外来種の蛍が棲息している。
◆【駆除に反対と思われる根拠】◆
・環境がいいから蛍が棲息している。
・只でさえ蛍は絶滅の危機に類している。
・かわいそう。
・蛍によって生態系は崩されていない。
・他に害をもたらせなければいいのではないか。
・あんな綺麗なものを殺しちゃうなんてもったいない。
◆◆◆【最後に思うこと】◆◆◆
様々な意見があって当然ですが、今後どうなるのでしょう?
ニュースソースの番組で紹介していた観光客の意見は、かわいそう的な意見を多く伝えていましたが、当然駆除されるべきでしょ!みたいな意見もありました。まぁ、わたくし的意見では、綺麗・かわいそう・生態系は崩されていない云々等の反対意見は、よそ者観光客の表面しか見ていないただの感傷論にしか聞こえませんでした。
外来種などは前々から散々議論されてきた面はあります。昔聞いた噂で某釣具屋チェーン店店員の中禅寺湖へのバス放流の話を聞いた際には一時期やるせなさを抑えきれない以上の憤りを覚えた事もありましたが、同様に上高地の蛍も夏場の利己的な話題作りに「あの辺?の誰か」がやっちまった結果なのかも知れません。当然根拠はありませんが目的が無ければ何事も成されないように思います。たぶんカワニナとセットの移入でしょうから確信犯ですよね。
この問題はまだ検討されていくのかも知れませんが、私は結局法律通りになるような気がしてしまいます。まぁ、個人的意見では、せめて蛍とカワニナのセットでどこか望まれる地域へ「お引越し」して貰われていければいいのではないのかなと思いました。
2014.06.10 / Top↑
岡谷市生物科学研究所の井口豊です。
やや情報不足の点があります。
志賀高原と上高地の場合,両者ともDNAも調べられています。志賀高原は,長野県にありふれたタイプのDNA型ですが,上高地は長野県に存在しなはずのDNAタイプであり,滋賀県から移入された辰野町のゲンジボタルと同じタイプなのです。
もちろん,県内の平地から,志賀高原に持ち込まれた可能性は否定しませんが,少なくとも,遺伝的に,長野県に存在しているものか否か,という区別があります。
参考として私たちの研究紹介
辰野町と上高地の移入ホタル問題
http://laboratoryofbiology.blogspot.jp/2010/12/blog-post_13.html
やや情報不足の点があります。
志賀高原と上高地の場合,両者ともDNAも調べられています。志賀高原は,長野県にありふれたタイプのDNA型ですが,上高地は長野県に存在しなはずのDNAタイプであり,滋賀県から移入された辰野町のゲンジボタルと同じタイプなのです。
もちろん,県内の平地から,志賀高原に持ち込まれた可能性は否定しませんが,少なくとも,遺伝的に,長野県に存在しているものか否か,という区別があります。
参考として私たちの研究紹介
辰野町と上高地の移入ホタル問題
http://laboratoryofbiology.blogspot.jp/2010/12/blog-post_13.html
熊さん
井口さん、貴重な情報ありがとうございました。当記事の最後に自分の思いを連ねてしまいましたが、それさえも早計だったのかも知れませんね。
2014/06/13 Fri 23:49 URL [ Edit ]
熊さん,コメントさせて頂き感謝します。
追記です。
私自身は,この番組を見なかったのですが,いろいろなブログやツイッターを見ていると,出演者か視聴者,あるいは,その双方が問題点を正確に把握していないのではないか,と思いました。
確かに,環境省が定める外来種の定義には,明治という時代区分が出てきます。
http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/basic.html
しかし正確に言えば,その遺伝子を持つ生物がそこに存在するのは矛盾であるか,という境界が,明治なのです。
単純に,移入時期だけ問題にすると,日本で絶滅したトキを中国から移入することは出来なかったはずです。私自身は,トキ移入に反対でしたが,それが可となった大きな理由は,遺伝的に日本トキと中国トキは同じである,というものでした。
そういう遺伝的基準で考えれば,単に移入時期の問題ではないと分かります。
全国ホタル研究会には,ホタルの移入に関する指針
http://www.ab.auone-net.jp/~biology/zenkoku-hotaru-kenkyukai-shishin.pdf
があります。
そこで
新規移植を行う場合(当該種が生息していない場所へ新たな一群を移植する場合),
(1) 対象地域と当該種の繁殖交流が可能な範囲より採取したもの(強く推奨)
(2) 対象地域のごく近隣より採取したもの(推奨)
と書かれていて,移入を完全には否定していないのです。
移入ゲンジボタルが問題となるケースの多くは,業者から買ってきたゲンジボタルをバラまくというものです。辰野の場合も,近隣地域で捕獲して増やすのは大変だから滋賀県から買ってきて増やした,という記録が辰野町誌に残っています。それなのに,それを隠してホタルを保護してきましたと言うのは,どうにも納得できないのです。
上高地の場合も,なぜ,たぶん県外で買ってきたホタルを,こそっと放流したのか,そこが疑問です。百歩譲って,なぜ,梓川下流地域のゲンジボタルを上流でも増やそうと声を上げなかったかが疑問です。もちろん,それも反対されるかもしれませんが,そこで初めて,志賀高原と対比できるのです。そういった解説が全くされておらず,コメントした次第です。
追記です。
私自身は,この番組を見なかったのですが,いろいろなブログやツイッターを見ていると,出演者か視聴者,あるいは,その双方が問題点を正確に把握していないのではないか,と思いました。
確かに,環境省が定める外来種の定義には,明治という時代区分が出てきます。
http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/basic.html
しかし正確に言えば,その遺伝子を持つ生物がそこに存在するのは矛盾であるか,という境界が,明治なのです。
単純に,移入時期だけ問題にすると,日本で絶滅したトキを中国から移入することは出来なかったはずです。私自身は,トキ移入に反対でしたが,それが可となった大きな理由は,遺伝的に日本トキと中国トキは同じである,というものでした。
そういう遺伝的基準で考えれば,単に移入時期の問題ではないと分かります。
全国ホタル研究会には,ホタルの移入に関する指針
http://www.ab.auone-net.jp/~biology/zenkoku-hotaru-kenkyukai-shishin.pdf
があります。
そこで
新規移植を行う場合(当該種が生息していない場所へ新たな一群を移植する場合),
(1) 対象地域と当該種の繁殖交流が可能な範囲より採取したもの(強く推奨)
(2) 対象地域のごく近隣より採取したもの(推奨)
と書かれていて,移入を完全には否定していないのです。
移入ゲンジボタルが問題となるケースの多くは,業者から買ってきたゲンジボタルをバラまくというものです。辰野の場合も,近隣地域で捕獲して増やすのは大変だから滋賀県から買ってきて増やした,という記録が辰野町誌に残っています。それなのに,それを隠してホタルを保護してきましたと言うのは,どうにも納得できないのです。
上高地の場合も,なぜ,たぶん県外で買ってきたホタルを,こそっと放流したのか,そこが疑問です。百歩譲って,なぜ,梓川下流地域のゲンジボタルを上流でも増やそうと声を上げなかったかが疑問です。もちろん,それも反対されるかもしれませんが,そこで初めて,志賀高原と対比できるのです。そういった解説が全くされておらず,コメントした次第です。
熊さん
あの番組は偶々録画予約している時に気になったので見た番組でした。蛍の件は1時間番組の一部のコーナーですからそんなに長い時間ではありませんでした。
また、当記事自体はニュースソースを示した責任も感じて、引用した内容は一字一句番組内容全てそのままを意識していましたし、番組内容もほぼ当記事で書いた内容程度でしかありませんでした。
番組も結論付けされていない終わり方でしたし、勿論見終えた時には井口さんご指摘のような面は全く意識できませんでした。
まぁ、あの番組もあのような問題提起ができる事に意義があるのかも知れませんし、私のような者でも蛍の一件を知ることができましたから意味はありますよね。また、取材対象によっては再び扱う事もありますから続編を期待したいものです。
実は私は過去にお魚さん系の外来種(バス)で心を痛めたというか憤りさえ感じたいきさつがありまして、このような件は気になる対象でした。上高地の蛍の件は恐らく人為的行為なのでしょうけれど、私にとっては何とも悲しく思えた一件となり、今後も見ていきたいと思いました。
また、当記事自体はニュースソースを示した責任も感じて、引用した内容は一字一句番組内容全てそのままを意識していましたし、番組内容もほぼ当記事で書いた内容程度でしかありませんでした。
番組も結論付けされていない終わり方でしたし、勿論見終えた時には井口さんご指摘のような面は全く意識できませんでした。
まぁ、あの番組もあのような問題提起ができる事に意義があるのかも知れませんし、私のような者でも蛍の一件を知ることができましたから意味はありますよね。また、取材対象によっては再び扱う事もありますから続編を期待したいものです。
実は私は過去にお魚さん系の外来種(バス)で心を痛めたというか憤りさえ感じたいきさつがありまして、このような件は気になる対象でした。上高地の蛍の件は恐らく人為的行為なのでしょうけれど、私にとっては何とも悲しく思えた一件となり、今後も見ていきたいと思いました。
2014/06/16 Mon 01:21 URL [ Edit ]
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